【墓じまいという選択】新しい供養の形を探す人が増えています。

お知らせ 2022年09月
秩父の樹木葬むさしの

お墓での供養というスタイルが、価値観や生活様式に合わなくなってきていると感じる方が増えています。

墓地に墓石を立てるスタイル以外にも、さまざまな形でご先祖様を供養できるようになってきています。

墓じまいとは

墓じまいとは、現在あるお墓から遺骨を取り出し、お墓のあった区画を寺院や霊園に返すことをいいます。

取り出すだけでなく、遺骨を新しい形で供養するという、ご先祖様への責任をしっかり果たすための前向きな取り組みです。

近年の少子高齢化や価値観の変化にともない、「お墓という形でご先祖さまを供養する」というスタイルが難しくなってきています。

墓じまいと改葬の違いは?

墓じまいに似た言葉に、改葬があります。

改葬とは、お墓の引っ越しのことです。

新しい墓地や区画に移動したり、今あるお墓をリフォームしたりすることを指します。

それに対し、墓じまいとは「お墓での供養」というスタイルを終えることです。

現代では、さまざまなスタイルでご先祖様を供養することができます。

墓じまいに必要な書類

墓じまいは、遺骨を扱うことから、行政手続きが必要になります。

そのための書類は次のとおりです。

改葬許可申請書

墓じまいのためには、墓地・霊園に「改葬許可証」を提出します。

その改葬許可証を自治体で取得する際の書類が「改葬許可申請書」です。

改葬許可申請書に、納骨されている人の情報や墓じまいの理由を記入し、自治体に提出することで、改葬許可証が発行されます。

改葬許可申請書の様式や申請手数料は、自治体によってさまざまです。

一つのお墓に複数の遺骨がある場合、その数だけ提出する自治体もあります。

最近では、改葬許可申請書をインターネットでダウンロードできる自治体も増えてきました。

死亡者の戸籍謄本

納骨されている人の情報を確認するために、死亡者の戸籍謄本が必要となります。

遺骨が古く身元がわからない、というケースもあると思います。

自治体に相談しながらすすめてみましょう。

埋葬証明書

埋葬証明書とは、お墓に遺骨が納骨されていることを証明する書類です。

お墓のある墓地や霊園の管理者が発行します。

自治体によっては、「収蔵証明書」「遺骨埋葬証明書」と呼ぶこともあります。

受け入れ証明書

受け入れ証明書とは、新たに遺骨を受け入れていただく墓地や霊園などの事務局が発行してくれます。

この書類のためにも、墓じまいでは、遺骨を取り出したあとのことも計画しておく必要があります。

承諾書

お墓にはかならず名義人がいます。

最近では、名義人がご高齢になったり、遠方に住んでいたりするケースも増えています。

名義人がみずから手続きをすることが難しく、代理人が手続きをする場合、承諾書を作成します。

申請者の身分証明書

改葬許可証を申請する人の身分証明書です。

運転免許証やパスポートなどの顔写真付きが望ましいとされています。

一般的な墓じまいの手順と流れ

墓じまいは、自治体の書類を準備するだけでなく、親族や墓地管理者などとの情報の共有や理解が必要になります。

1. 親族への相談と合意

墓じまいを円滑に成功させる最大のポイントは、親族の合意と情報の共有にあると言っても良いでしょう。

古いお墓になるほど、お墓に関係する親族は幅広くなっていきます。

場合によっては、お会いしたことのない遠縁の方と連絡を取る必要もあるでしょう。

先祖代々守ってきたお墓をしまうというデリケートな問題ですので、親族の方へは墓じまいすることを伝え、しっかりと了解を取っておきましょう。

2. 遺骨の受け入れ先を決める

墓じまいをする前に、お墓から取り出した遺骨をどうするのか、を決めておく必要があります。

これは、関係する親族の皆さんに納得していただくためだけではなく、改葬許可証を申請する際にも自治体に報告する必要があるためです。

また、遺骨の新しい受け入れ先のスタイルによって費用も異なります。

自治体から改葬許可証が出なければ墓じまいができないこともあり、スムーズな墓じまいのためにも、事前に受け入れ先は決めておきたいものです。

3. 現在の墓地に墓じまいを伝える

新しいお墓が決まった段階で、現在の墓地に墓じまいすることを伝えます。

現在のお墓の管理者には、改葬許可申請書に必要な書類を作成していただきます。

4. 改葬許可証を取得する

お墓のある自治体の改葬許可申請書に必要事項を記入し提出します。

自治体から発行された改葬許可証を、新しい埋葬先の墓地・霊園管理者に提出します。

5. 閉眼供養(寺院の場合)

お墓の撤去の前に、寺院の場合、墓前で読経を行う閉眼供養が営まれます。

また、離檀する場合には、檀家から抜けるための手続きや手数料が必要な場合もあります。

6. お墓を撤去する

自治体からの改葬許可証が出たら、具体的にお墓の撤去ができます。

お墓の撤去は、寺院や霊園に依頼すれば石材店を紹介してもらえますが、どの石材店でも可能です。

お墓から骨壷を取り出した後、墓石を撤去するなどし、区画を更地に戻します。

7. ご遺骨は次の供養の場所へ

墓地から取り出したご遺骨は、次の供養の場所へ移します。

最近では、樹木葬や海洋散骨など、さまざまな供養のスタイルがあります。

墓じまいの注意点

墓じまいで大切な点は、以下の2点です。

新しい供養先を準備する

墓じまいの目的は、将来的にもご先祖様をしっかりと守り続けることができる環境を整えることにあります。

今あるお墓をしめることばかりに注力せず、新しい供養のあり方についても、事前にしっかりと考えておきたいものです。

遺族・親族から理解を得ておく

お墓は、今は亡き故人と向き合い、心を落ち着かせる場所です。

プライベートスペースとしての区画に墓石があり、先祖代々その下に眠っているという一般的なスタイルは、いまだ多くの人に支持されています。

新しい供養の仕方がどのようなものであれ、「お墓を無くす」ということに抵抗を感じる親族は少なくありません。

そのため、墓じまいの際には、その理由を関係する親族にしっかりと説明をすることが大切です。

墓じまいは、将来のことを考え、良かれと思ってするものです。

墓じまい後に、親族との関係が悪化することがないようにしましょう。